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造成工事の見積りを正しく読み解く方法|安い見積りの落とし穴とプロが見るべき10のポイント

投稿日:2025.12.10 更新日:2025.12.11

造成工事の見積りは、建築工事の中でも特に複雑です。
切土・盛土、残土処分、排水、擁壁、法面、配管、諸経費など多くの項目が絡み、数量や単価の根拠も現場条件により大きく変動します。
そのため、見積り金額の安さだけで判断すると後から追加費用が発生するリスクが極めて高い工種と言えます。

本記事では、造成見積りを正しく読み解くために、ゼネコン担当者・工務店担当者が必ず確認すべき10の視点を解説します。

1. 造成見積りは“金額”ではなく“構造”で比較する

見積りを判断する際に重要なのは総額ではなく、その内訳と構造です。
「何が含まれていて、何が含まれていないか」を正しく把握することが重要です。
見積りの構造を把握することで後から発生する追加費用のリスクを抑えることができます。

2. 造成見積りの基本構造

造成の見積りは一般的に以下の構成で作られます。

  1. 準備工・仮設工
  2. 切土・盛土(ボリューム算出)
  3. 残土処分費・運搬費
  4. 路盤工・舗装工
  5. 擁壁工・土留め工
  6. 排水設備(暗渠管・側溝・雨水桝)
  7. 法面工(保護・吹付・植生)
  8. 宅内配管・桝
  9. 外構・復旧工事
  10. 諸経費(共通仮設費・現場管理費)

3. “数量”を正しく読む

造成見積りで最重要なのが数量(m³・m²・延長m)です。
数量の過小計上は後から追加費用につながる最大のリスクです。

《チェックポイント》

  • 設計図面と数量が一致しているか 
  • ボリューム算出の根拠があるか 
  • 不自然に少ない項目がないか 

4. 単価は安いほど良いわけではない

造成単価は地域・土質・処分場などで変動します。
単価が安すぎる見積りは、後から調整してくる可能性が高く、適正な施工ができないリスクもあります。

《確認ポイント》

  • 重機単価、ダンプ運搬費 
  • 盛土材料の単価 
  • 残土処分費の根拠 

5. “除外項目”を見ることが最大のポイント

造成見積りは「含まれている項目」より「含まれていない項目」がリスクになります。

《代表的な除外項目》

  • 地盤改良費
  • 境界工事
  • ガラ撤去
  • 排水方向変更
  • 大雨時の手戻り費用 

6. 残土処分費の読み解き方

残土処分費は造成見積りの中で最も金額差が出る項目です。

《確認ポイント》

  • 残土発生量の根拠
  • 処分先の有無
  • ダンプの走行距離・台数
  • 運搬 + 処分のセット単価

7. 擁壁工は“内訳の細かさ”で業者のレベルがわかる

擁壁工が雑にまとめられている見積りは非常に危険です。

《確認すべき内訳》

  • 鉄筋の径・数量
  • コンクリート量
  • 型枠工
  • 裏込め砕石・透水シート
  • 水抜き穴の本数
  • 控え壁の有無 

8. 排水設備(暗渠・雨水桝)のチェックポイント

造成後の瑕疵で最も多いのが排水不良です。

《確認ポイント》

  • 暗渠管口径
  • 延長
  • 排水桝の数量
  • 側溝の種類
  • 勾配の根拠

9. 諸経費の妥当性を判断する

諸経費が高い・安いという感覚だけで判断するのは危険です。
適正な諸経費=管理が丁寧で安全対策がしっかりしている証拠です。

10. “比較表”で差を見える化する

最終的には見積り内容を比較表にまとめることで大きな判断材料になります。

《比較項目例》

  • 数量の差
  • 単価の差
  • 含まれない項目
  • 追加発生の可能性
  • 施工方法の違い

まとめ

造成工事は「見えない部分」が多く、品質管理の差が引き渡し後の安全性に直結します。
数量、単価、除外項目、残土処分、擁壁・排水の内訳などを正しく読むことで、後から追加費用が発生しない安全な造成工事を実現できます。

芳賀土建は、造成における 排水・盛土・擁壁・法面管理の専門部隊 を社内に持ち、施工前の計画段階から図面確認、数量算出、リスク抽出まできめ細かく対応しています。

“確かな工事を、確実に。”
その理念のもと、地域の地形や土質に精通したスタッフが、
品質・安全・工期 を守る造成工事を提供しています。 造成に関するご相談やお見積りもお気軽にお問い合わせください。